蒜山がある真庭市はJR西日本の株を3万4千株取得したというニュースが流れた。株取得の目的としては、JR姫新線の維持をあげている。存続を願う住民の気持ちは動画の通りである。
JR西日本としては赤字のローカル線の見直しを検討しているのだろう。今のままだときつい。では、どうするかを考える必要がある。
そこで考えられるのが、神社のビジネスモデルである。初詣でかなりの収入を得ていて、あとはお守りなどの物販、七五三、結婚式などのイベントでの収入がある考えられるが、ここでのポイントは、数日間でほとんど1年分の収入を得るという点である。
日々の収入が少なくても、数日だけで爆発的な収入を得ることで、1年を通した売り上げが採算に合えばよい。
このモデルに近いのが岡山後楽園の辺から西大寺を結んでいた西大寺鉄道。1964年廃止されたが、その線路の跡が岡山市中区にいまだに残っている。西大寺鉄道は、西大寺観音院会陽、いわゆる裸祭りの日に1年の大半の収入を得たという。
つまり、姫新線沿線で大規模のイベントを行い電車を使ってもらう。蒜山フェスでもなんでもいい。そこでいっきに採算にのる1年の利用者数を稼ぐのである。ただ、私は採算ラインを知らない。ただのアイデアベースの話であるのでご了承頂きたい。
ふと思ったのは、WRC(世界ラリー選手権)なんてどうだろう。愛知・岐阜で2023年開催のラリージャパンは、54万人近くの来場者が来るほどの集客力がある。岡山には1990年代ラリーで活躍した三菱自動車の工場もあるし、ラリードライバー田口勝彦さんの出身地という「ゆかり」もある。(親御さんもラリードライバーで岡山で車の販売を行っている。)
もっと「ゆかり」が欲しいのであれば、真庭市がラトビアの都市などと姉妹市協定を結びMārtiņš Sesks(マルティン・セスク)などの若手有望選手を真庭市姉妹都市出身として応援するのはどうだろう?岡山出身(ただし津山市)のB’zの稲葉さんにテーマ曲を歌ってもらって当日LIVEも行うとかも考えられる。
中国地方でWRC(世界ラリー選手権)なんて無謀だと考えるかもしれない。日本で行われた2019年ラグビーワールドカップは当初期待されていなかったように思える。コネも何もない私が先行発売でオールブラックス戦や日本代表戦のチケットを軽々入手できたのがその証左である。おかげで、名勝負「日本代表対スコットランド」戦を観戦できた。その後、日本代表が活躍したり、各国代表がキャンプ地の地元の人との交流などで徐々に人気を集めて最後にはチケットはプレミアム化した。どう転ぶかは、わからないが、転ばせたい方向に転ばせようとしないで評論だけするのは無策すぎる。マルティン・セスクも言っている。”If you want, you can”だ。
自動車は、家に次いで高い買い物である。なのに、家とは違って、リフォーム(改造)の市場は限りなく小さい。ラリーの影響で、自動車が「ただの移動手段」から「移動を楽しむ手段」に昇華して、いろいろリフォーム(改造)を行うようになれば経済も活性化するのは間違いない。姫新線と日本経済の命運は真庭市が握っているのだ…くらいの志が欲しい。
さて、とりとめもなくWRCをネタに何か書きたいと思っただけだが、割と的を得ているのではないかと思う。そもそもこの神社の「ビジネスモデル」の一大要素である「初詣」というのは鉄道会社が正月に客を増やすために考えたイベントで、チョコの会社が仕掛けたバレンタインデーと同じなのである。なぜ、今そういうアイデアが出てこないのか不思議である。
今年は、ラリージャパンに行きたいと思う。その時は、あちらのローカル線を使うとしようか。
【参考】
[1] 朝日新聞 姫新線抱える岡山・真庭市、JR西株を3万4千株取得 取得費1億円
[2] ジモコロ 『初詣』は鉄道会社が考えた企業イベントだった ~意外と知らない初詣のハナシ~
[3] WRC フォーラムエイト・ラリージャパン2023来場実績
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