昔、武道を少しばかりやっていて、師範に言われたことがある。

「力んではダメ。相手にそれが伝わって、抵抗されるから技が効かなくなる」

  

某都市銀行のATMに通帳記入をしに行った。

通帳をATMに差し込むと、すぐにひったくるように通帳を呑みこもうとする。

その時、取られまいと無意識に通帳を握ってしまった。

 

その足で、ほかの都市銀行にも通帳記入に行った。

通帳を差し込むとワンテンポ開けて通帳がATMに呑みこまれる。呑みこむスピードも緩やかだ。

その時、安心して通帳を離した。

 

同じ目的を果たしているが、利用者(私)のとらえ方は大きく違う。

前者では「反感」を感じ(無意識に)抵抗を試みている、後者には、「安心」を感じて抵抗はしていない。

冒頭の師範が目指しているのは、間違いなく後者だ。理に合った技はもちろん、相手の意識・無意識に「反感」を感じさせることはない。

だから、その師範に投げられると痛くないし、気持ちがいい。

 

そんな武道だが、コロナ下で道場経営が厳しいと聞く。

日本伝統の武道や武術などが廃れないようにしてほしいと切に願う。

 

 

ちなみに、アイキャッチ画像は心が折れそうなときに読んだ本(柔道家の野村忠宏氏の著書)に書いてあったのをマネして帯の背面に「執念」と刺繍したもの。(だったと記憶する。この本には救われたのは間違いない。)