住所の「大字」、「字」って何?

先日、「都市計画法による開発行為許可済標識」というのをみていたら住所に「字」という文字がありました。「都道府県」、「市」、「区」、までは馴染みがありますが、「字」って何?

調べてみると、その土地の江戸時代のことまで分かる魔法の言葉かもしれないことが分かりました。(いや、ちょっと盛りすぎたか…)

地図の代名詞「ゼンリン」のコラムにバシッと知りたい情報がありました。引用してみます。

都市部だと馴染みのない方も多いと思いますが、もともと農山村だった地域を記す住所は「大字(おおあざ)」と「字(あざ)」に分けられます。大字は江戸時代の村を継承した範囲・地名で、字は大字より小さい集落のまとまりにつけられた地名です。[1]

画像の住所に「岡山市中区高屋両ソウ」や「岡山市中区高屋両ソヲ」というのがあります。「●●」は、上のコラムから江戸時代に村より小さな「●●」という集落があったということになります。(字や大字は「●●区」などと違い「字●●」のように前につく)

いや、そうなのか??画像中の「両ソヲ」や「両ソウ」とかは、なにやら便宜的な匂いしかしない。これは、石川県の方の住所にイロハや甲乙丙などと同じく便宜上つけられたような住所[2]が存在するのと同じ類のものだろうか。知っている方は教えてください。

「高屋」の方は情報があり、1868年(明治元年)時点ですでに「高屋村」となっていて、1889年(明治22年)に町村制により近隣の「関村」、「赤田村」、「藤原村」などと統合合併され「幡多村」ができます。(村役場は、高屋に存在していた)

1889年時の住所は、「岡山県上道郡幡多村大字高屋」。当時は、「大字高屋」とあり江戸時代の「高屋村」の名残がしっかりありますね。ちなみに、「幡多村」は今の「幡多学区」に相当しています。

そんな「幡多村」も、1954年(昭和29年)に「岡山市」に編入されてしまいます。幡多学区なんてずっと前から岡山市ぶっているけど、割と最近の新参者じゃないか!というツッコミはおいておきましょう。

今回、その「高屋」にニトリがくるようですが、昔のように今も「高屋村」だったら「高屋村村長」が「税収が増える!」って飛んで喜んだことでしょう。ニトリだけに飛んで喜ぶ…

ニトリの新店舗の面積が9179.86㎡なので高屋の面積(639907.173㎡[3])の1.4%をニトリで占めることになりますが、存在感は、その数値以上でしょう。オープンが楽しみです。

ちなみに「ニトリ 何店」になるのでしょうか?「ニトリ 高屋店」だと「高屋村村長」が喜ぶと思いますね。飛んで。

参考
[1] 地図から見えること「大字と字」ゼンリン
[2] 石川県の七不思議? 住所に「イロハ」「甲乙丙」「子丑寅」など謎の地名が マイナビニュース
[3] 岡山県岡山市中区高屋 (331020700) | 国勢調査町丁・字等別境界データセット Asanobu KITAMOTO, ROIS-DS Center for Open Data in the Humanities